モラハラとは

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モラハラとは? 離婚原因として、モラハラが増加中?!

公開日
更新日

 
執筆:須賀 香穂里(ライター)
監修:株式会社とらうべ
 
 
「モラハラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 
これは「モラル・ハラスメント」という言葉の略称ですが、最近夫婦の離婚の原因として知られてきています。

 
夫婦の仲を引き裂く原因ともいえる モラハラとは いったいどのようなものなのでしょうか。
 
この記事ではモラハラの定義や特徴について説明します。
 
 

モラハラの定義と影響

 
夫婦間のモラハラに悩んでいる人は増えてきていると言われています。夫妻の離婚動機としてモラハラの割合を見てみると、

 夫:1975年 9.1% ⇒ 2013年 17.4%
 妻:1975年 17.0% ⇒ 2013年 24.9%

という結果が出ています。
 
参考:マイナビ学生の窓口『「モラハラ」もランクイン!統計に見る、日本人夫婦が離婚する理由Top10』

 
モラハラという概念は、フランスのマリー=フランス・イルゴイエンヌ博士によって提唱されました。
 
その定義とは、
 

「言葉や態度で相手の人格を繰り返し執拗に傷つけ、その恐怖や苦痛によって相手を支配し、思い通りに操る暴力のこと」

とされています。
 
モラル・ハラスメントの被害者は、そのストレスによって心身の不調を抱えてしまいます。
 
その人の近くにいるだけで心臓がドキドキしたり、手が震えたりなどといった症状が現れ、生活に影響してしまいます。
 
そのような状態のまま、モラハラを放置すると、胃痛や吐き気※1、生理不順※2など心身症と同様の症状が出始め、最終的にはうつ病※3や神経症、パニック障害などを発症することがあります。
 
※1編集部注:胃痛と吐き気の詳細について説明した胃痛吐き気.top
 
※2編集部注:更年期と生理不順の関係について説明した更年期生理不順.com
 
※3編集部注:うつ病が他の症状という「仮面」に覆われていて、見えづらくなっている「仮面うつ病」について説明した仮面うつ病.top
 
 

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モラハラとは モラハラにおける「暴力」とは

 
モラハラ、と言われてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
 
殴る、蹴るなどの理不尽な暴力、いわゆるDVが連想されるかもしれません。確かにモラハラは「暴力」による支配ですから、家庭で起きれば立派なDVです。
 
しかしモラハラにおける「暴力」とは、殴る・蹴るといった身体的な暴力ではありません。むしろそのような直接的な暴力を奮うモラハラ加害者はほとんどいません。
 
モラハラでいう暴力とは、主に悪質な「言葉・態度の暴力」なのです。これはカッとなったときに思わず口をついて出るような暴言とは違います。
 
モラハラ加害者は、長期にわたって被害者が傷つくような言葉を投げかけ続けます。
 
「どうしてこんなこともできないんだ!」「この役立たず! 消えろ!」…ほんの些細なミスで必要以上に声を荒げて怒られ、存在を否定されるような言葉を投げつけられます。
 
時には苛立ったように机をたたいたり、椅子を蹴り倒したりしながら罵倒します。そうして「本当はこんなこと言いたくない」「お前のためを思って言っているんだ」と付け加えれば「完璧」です。
 
被害者はいつまた怒鳴られるかわからないという恐怖と、怒鳴らせてしまっているのは自分が至らないせいだという自己卑下の感情にがんじがらめにされてしまいます。
 
こうなると、被害者は怒鳴られないように加害者の顔色を伺いながら過ごすようになり、加害者の思い通りに動くようになってしまいます。
 
これが「言葉の暴力による支配」なのです。
 

モラハラ的な行動の例

 
イルゴイエンヌ博士は、モラハラの主な方法として、以下の4つを挙げています。
 

  •  孤立させる
  •  仕事にかこつけて個人攻撃する
  •  仕事を批判するのでなく人格を攻撃する
  •  正常な感覚を失わせる

 
これに基づいたモラハラ的な行動、言動の例を以下に記しました。
 

  •  命令した仕事しかさせない
  •  

  •  相手の意見にことごとく反対する
  •  

  •  必要以上に非難したり、不当に批判する
  •  

  •  意志に反した危険な仕事をさせる
  •  

  •  無視する
  •  

  •  あらゆるコンタクトを避ける
  •  

  •  仲間外れにする
  •  

  •  馬鹿にしたように見る
  •  

  •  他人からの信用を失わせるようなことをいう
  •  

  •  悪い噂を流す
  •  

  •  出自や容姿などをからかう
  •  

  •  殴ってやるなど脅す
  •  

  •  大声で怒鳴りつける
  •  

  •  プライベートに必要以上に干渉する
  •  

  •  セクハラを行う

 
これらの行動は相手の人としての尊厳を著しく傷つけるものであり、「暴力」としてとらえられます。
 
 

モラハラとは モラハラとパワハラは同じ?

 
前項に挙げた言動の例を見てみると、これらはいわゆるパワーハラスメントと同様の特徴を持っていることがわかります。
 
日本では、家庭で起きるのがモラハラ、職場で起こるのがパワハラというような認識が定着していますが、実はモラハラとパワハラは内容的にはほとんど同じものを指しているのです。
 

モラハラが起こるのは家庭だけではない

モラハラは夫婦やカップルの間だけで起こるものではありません。
 
相手を貶め、言葉や態度の暴力によって不利益をもたらすような行いは、どこで起ころうとモラハラに違いないのです。
 
性的な嫌がらせをするセクハラ、権力を背景に行われるパワハラ、妊娠した女性に対するマタハラなど、いわゆる「○○ハラスメント」は、精神的な嫌がらせという点でどれもモラハラの一種ということができます。
 
 

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職場でのモラハラ

 
2015年の調査によれば、職場でモラハラを受けたことがあると答えた人が約1割いました。もしかしたら、モラハラとは気づいてなくても、経験したことがある方もいるかもしれません。
 

職場でのモラハラ例

 
<無視・しぐさ>

  • ・乾杯の杯をあわせない
  • ・2人きりの時だけ同僚に無視されるが、上司の前では普通なので気づかれない
  • ・からため息をつかれる、馬鹿をしたように見る、肩をすくめるなど、軽蔑的な態度

 
<傷つく言葉・差別>

  • ・体調が悪いとき『あなた必要ないから、そんなんだったらもう帰っていいよ』
  • ・『女のくせに、だから女は』と言われ、掃除やごみ捨てなど雑用も『女だからやって当たり前』という雰囲気

 
<威圧する言葉・態度>

  • ・『教えたとおりにしないのだったら、もう金輪際教えないから聞きにくるな』と怒鳴られる
  • ・『どうせあなたは言わなきゃやらないから言うけど』言われる。あるいは他の社員(上司の家族)に『だって●●さん(私のこと)がやらないから』

 
参考:日経ウーマンオンライン『働く女性が告白! 職場、家庭で遭遇したモラハラ体験』

 
職場でのモラル・ハラスメントは家庭で起こるモラル・ハラスメントとは少し違った特徴があります。
 
暴言を吐いたり、嫌がらせをしたりする行為は共通していますが、仕事に対しての能力に特化した嫌がらせが多く、周囲も巻き込んで、ダメな人といったレッテルを共通化しようとします。
 
 

モラハラとは モラハラ被害者・加害者の特徴は?

 
モラハラは誰にでも、被害者、加害者になる可能性があるのでしょうか。
 
モラハラの被害者になる人、加害者になる人には、その思考パターンにいくつかの特徴があります。
 
以下にご紹介する特徴に多くあてはまるようであったら、あなたはモラハラ被害者、または加害者になりやすいと言えるかもしれません。
 

被害者の特徴

 

  •  責任感が強い
  •  

  •  良い人だと周りに思われたい
  •  

  •  人の役に立ちたがる
  •  

  •  几帳面
  •  

  •  秩序やルールを遵守する
  •  

  •  向上心があるが、劣等感が強い
  •  

  •  我慢強い
  •  

  •  自己犠牲精神が強い

 
 

加害者の特徴

 

  •  プライドが高く、自分は特別だと思っている
  •  

  •  自分は特別であるべきだと思っている
  •  

  •  他人から称賛されたがる
  •  

  •  他人をうらやむことが多く、僻みっぽい
  •  

  •  物事をすべて自分の都合のいいように考える
  •  

  •  自分だけが正しいと考える
  •  

  •  やられたらやり返すべきだと思う
  •  

  •  目的のためなら平気でうそをつき、他人を利用する
  •  

  •  虚栄心が強い

 
 

モラハラとは モラハラを受けたらどうすればいい?

 
モラハラの被害者は多くの場合辛い状況からなかなか逃げだせません。
 
それは加害者によって言葉巧みに、「こんな風に怒鳴られるのは自分が悪いからだ。
 
自分さえしっかりしていれば穏やかに過ごせるはずだ」という考えに導かれていたり、加害者から逃げ出すことは許されない、逃げ出したら余計に恐ろしいことになる、と思い込んでいたりするからです。
 
そこで、モラハラの環境から解放されるために、次の行動をしてみましょう。
 

距離を置く

 
モラハラ加害者に対して直接「こんなことはやめてほしい」と訴えても、「お前のせいでこうなっている」と返り討ちにされてしまうことが少なくありません。
 
そこで被害を受けていると感じたら、一度加害者から距離を置いてみましょう。
 
離婚までしなくともしばらく実家に帰るとか、そのようなことでよいのです。
 
モラハラの加害者になる人は、誰かを貶めて自分を正当化しないと生きてこられなかった人たちです。

 
つまり、彼らは不安なのです。
 
自分の不安を、誰かを虐げることによって紛らわせているのです。
 
ですから一度距離を置いて、彼らが自分と向き合い、暴力による支配が間違った行いだと気付けるような環境を作りましょう。
 
モラハラ加害者は、あなたが近くに居ればいつまでもあなたを感情のはけ口として扱い続けます。
 
 

相手の目を見て話すようにする

 
モラハラ被害者は、加害者が怖くていつもうつむきがちになってしまうかもしれません。
 
しかしそんな態度は、加害者に対して「自分は貴方に対して恐怖を感じています」と自己申告しているようなものです。
 
その様子を見た加害者は、「こいつなら何をしても大丈夫」と判断してモラハラを続けます。
 
要は、「あなたの暴力には屈していないぞ」という態度をとることが大切なのです。
 
まっすぐに目を見つめられると、相手は好き放題できないような気がしてくるのです。目を見るという行為は、相手に「これ以上はやばいかも」という意識を持たせることによって相手の行動を抑制することができる方法です。
 

モラハラは精神的にまいってしまう辛い嫌がらせですが、相手の言葉を鵜呑みにして自分を責めてはいけません。
 
怒鳴られたりしたら、まずは本当にそのことは自分が悪かったのか、そこまで怒られるようなことなのかを考えてみましょう。
 
信頼できる人に相談してみてもいいかもしれません。
 
自分を責め、相手の言う通りに行動知るのは相手の思うつぼです。
 
常に堂々とした態度でいて、「暴力では支配されない」ということを相手に分からせるのが大切です。
 
 

【参考文献】
(1) 橋本智子(大阪弁護士議会)・谷本惠美(産業カウンセラー協会認定・登録カウンセラー)・矢田りつ子(フリーライター)・熊谷早智子(モラハラ・ポータルサイト「モラル・ハラスメント被害者同盟」管理運営者)・水野紀子(東北大学大学院法学研究科教授)(2007).Q & A モラル・ハラスメント 弁護士とカウンセラーが答える 見えないDVとの決別 明石書店 pp.8,12-15,38-39
(2) 岡田康子(クオレ・シー・キューブ代表取締役)・稲尾和泉(クオレ・シー・キューブカウンセラー・主任講師)(2011).パワーハラスメント 日本経済新聞出版社 pp.82-84
(3) BP.Labo『危険!?その対応では、モラハラがもっとひどくなる。』
 
 
<執筆者プロフィール>
須賀 香穂里(すが・かほり)
神奈川大学人間科学部・人間科学科所属。社会心理学や人間関係をテーマとした執筆活動を行っている
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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